三好層(Miyoshi Formation)

 三好層は,碧海平野の標高70〜120mの緩やかな丘陵(三好面)をつくる,第四紀の堆積物(更新統)である。三好層は,層厚20m以上の,未固結のシルト・粘土層,砂層,砂礫層で構成される。野外でもっとも特徴的に見えるのは,赤褐色に風化した砂礫層である。これは,三好層の風化殻で,鉄分が風化して赤色土壌化したものと考えられている。礫は,ほとんどが白色に風化したチャート礫で,若干の火山岩礫が含まれる。火山岩礫はぼろぼろになっており,露頭から取り出せないほどのくさり礫になっていることが多い。三好層の風化していない部分は,赤色化も礫の白色風化も受けておらず,チャート礫以外の礫の割合もやや多くなる。工事などで現れた露頭では,下部の瀬戸層群(東海層群)と見分けがつきにくくなる。

 三好層からは,地質年代が明らかになるような化石や火山灰層は発見されておらず,地形面,堆積物,固結度などから,名古屋市東部地域の唐山層,八事層に対比して,数十万年前の更新世中期の堆積物と考えられている。

赤色化した三好層の砂礫層(刈谷市井ケ谷町)
左の拡大写真
三好層の砂層〜砂礫層(豊田市本田町)

井ケ谷付近地質図


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