現在の愛知県に火山がない理由

 日本列島にはたくさんの活火山がありますが、愛知県にはありません。これはなぜでしょうか。火山活動の原動力であるマグマは、地下深くのプレート境界付近で発生します。愛知県付近では、フィリピン海プレートが南海トラフでユーラシアプレートに潜り込み、プレート境界が60〜70kmの深さになると考えられています。この深さではマグマは発生せず、もっと北方の御嶽山付近で深さ100km程になって、ようやくマグマが発生します。同じように、トラフや海溝からある程度の距離になってプレート境界が深くなったところでマグマが発生するため、火山はトラフや海溝と並行するように並んでできます。これを、火山前線(volcanicfront)と言います。愛知県付近では、千数百万年前や1億年ほど前などに何回か大規模な火山活動があり、その証拠である火成岩(設楽層群や花崗岩など)がたくさん見られます。愛知県の地下の様子は、大昔と現在とでは、かなり異なっていたのかもしれません。(2017.11.23 Wen Lee)

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