半田池は、半田市、阿久比町、常滑市にまたがる農業用のため池です。知多半島には大きな河川がなく、稲作等の農業用水の確保に大変苦労したので、昔から多くのため池が作られてきました。半田池は、1695年(元禄8年)、海岸部にできた干拓新田に水を引くために築造されました。小さな山や谷が連なる丘陵地につくられたため、東側の谷の出口に盛土し、水の流れを堰き止めて水をためる形になっています。もともと自然に流れていた矢勝川を水路として利用したため、最も西の奥にある半田池が水源となっています。「おぢいさんのランプ」の舞台でもあります。 中山は、矢勝川の中ほどの南側(右岸)の、標高15mほどの低い段丘(半田層)です。中山には、16世紀中頃の戦国時代から江戸時代まで中山城というお城があり、中山氏という武士が住んでいました。現在は新美南吉記念館、童話の森に変わり、お城の跡は残っていません。 権現山は、中山の対岸にあたる北側(左岸)の阿久比町植大地区にある、標高40mほどの小さな丘陵(東海層群)です。権現山には、「五郷社」と呼ばれている歴史ある神社があり、昔から地元では「権現さん」と親しみを込めて呼ばれていました。「ごんぎつね」の「ごん」は、権現さんの「ごん」であり、今の阿久比町植大付近の小山に住んでいたキツネということです。 |