権現山

 新美南吉の「ごんぎつね」がすんでいたとされる権現山は、岩滑の集落から矢勝川を挟んだ北側にある、標高40mほどの丘陵です。権現山には、五郷社・神明社の二つの神社があり、「ごんぎつね」に関するものが置かれています。五郷社は、地元では昔から「権現さん」と親しみを込めて呼ばれていました。「ごんぎつね」の「ごん」は、権現さんの「ごん」であり、今の阿久比町植大付近の小山に住んでいたキツネということです。権現山の大部分は現在でも樹木などの植生に覆われていて、「ごんぎつね」に登場する植物が自生しています。権現山をつくっている地層は、東海層群が主体で、丘陵の頂部には高位段丘の堆積物が載っていると推察されます。露頭状況は良くありませんが、土壌中に見られるチャート礫は、高位段丘由来のものと考えられます。権現山の麓で見られる土壌は、東海層群の砂泥層などが風化してできた軟らかいもので、ごんが巣穴を掘るのに適していたことでしょう。権現山の中腹あたりからは、岩滑の集落が一望できます。ごんもこのような眺めを楽しんでいたのでしょうか。(2018.8.12 Wen Lee)


権現山の登り口


ごんげん山周辺マップ

権現山参道の植生


権現山から南方(岩滑の集落)を望む

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